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「ははははっ・・でも、今の話をキルハ様に聞かれたらヤバいぜ。」
「もうジジイはうちに帰ったさ。」
「それよりさあ、お昼食べたら、みんなで村の外れの川に遊びにいこうぜ。」
仲間のひとりがロビンを誘った。
「悪い。オレ、パス。」
「なんで?天気もいいし、川で魚捕りでもしようよ。」
「今日はスタールさんに剣の稽古をつけてもらう日なんだ。」
「へえ・・・まだ続けてたんだ?」
「珍しいな、ロビンがそんなに熱中するなんて。」
「オレだってやる時はやるんだよ!とにかく、そういうわけだから、パス!また今度な。」
とりつく島もないロビンの態度に、友達たちはロビンに別れを告げ、講堂から出て行った。
「さてと、オレも帰るか。うち帰って、メシ食って、スタールさんのとこに急がなきゃ。」
仲間たちの後ろ姿を見送ったロビンも、やっと席を立ち、講堂の出口へ急いだ。
その時、出口付近に集まっていた女子たちが、ロビンに声をかけた。
「ロビーン、またねぇ!」
「おう!またな。」
キルハには悪態をついて見せるロビンも、同年代の子供たちには人気があった。
明るく元気で、男女分け隔てなく接するロビンに、女子たちも気軽に声をかけてくる。
大人たちから見れば、手のかかる『悪ガキ』でしかないが、子供たちからすれば、どんな問題にも果敢に挑むヒーローのような存在なのだ。
大人たちがキルハを頼るように、子供たちはロビンを頼りにしていた。
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