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「ちっ、またパンとスープかよ…もう飽きたぜ」
囚人の容姿は汚いの一言につきる。髪はボサボサに伸び、顔を隠して肩よりも長い。おまけに髭も伸びきっていて口を覆っている。
「贅沢言うんじゃない。これでもスープは日替わりなんだぞ?」
牢屋の鍵を開け、スープの入った皿から湯気を出しながら男の隣まで持っていった兵士。仄かに香るこの匂いはコンソメスープのようだ。
「んなこと言ったてな、こっちは自分で食べれないわなんわで…あちっ!」
男が繋がれている鎖はほとんど外されることはなく、食事もこの兵士が口へ運んで行っている。
「悪い、悪い。熱々のスープだったな」
しばらく雑談を交わしながらの食事は続き、全てを食べ終わったトレーを運びつつ兵士はしっかりと施錠を完了した。
「それにしても…お前はいつになったら出られるんだ?お前とは随分長い付き合いになってるな…」
昔を懐かしがるように顎に手を当てて懐かしむ兵士。実際、この囚人を最初から管理しているのはこの兵士なのである。
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