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刹那、
「え…?」
大量の血吹雪が舞い、兵士の身体は前のめりに倒れていく。その後ろには剣を振りぬいた格好の囚人が怪しく笑っていた。
「シャハハハ!安心しすぎだよ…俺はお前を信じてなんかいないんだぜ?」
今にも消え入ってしまいそうな命を必死に繋ぎとめ、兵士は自分の背中を確認してみる。そこには鎧など意味を持たないと感じるほどに深く切り刻まれた背中。
「お、お前…」
「苦しいか?今まで世話してくれた礼だ…今楽にしてやる」
兵士の目に映ったのは怪しく光を反射する漆黒の刃。高々と掲げられた刃は、迷う事無く一気に振り下ろされた。
「うわぁぁぁぁ!!!!」
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