プロローグ

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*アックスの視点 今、俺は唯一存在が確認されていない‘闇の賢者’の不確かな情報の真意を確かめるため、スタン国にある刑務所を襲っている。 本来、賢者狩りはベルテの仕事なんだが情報が曖昧ため、動きたくないというリーダーの理不尽な我が儘を聞いて、モーナとザニアの一緒にこんな場所を訪れている。 「刑務所なんて始めて来たぜ!」 情報によると最下層に賢者はいるらしい。ちょうど半分くらい下った所で常時ハイテンションのモーナが兵士を殴り飛ばし言った。 「俺だってそうだよ。てか、スタンに来たのも初めてだし…」 小さな頃から働き続けていた俺の世界は狭かった。そういう意味では、世界を飛びまわれる今の状況は少しだけうれしいのかもしれない。 しかし、他人の命を奪わなければいけないことは本当に心が痛い…でも妹の件もあるし、命令には逆らえない。
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