不思議な人物

4/12
前へ
/490ページ
次へ
この日は外出もせず、ずっと家にいた。 午後になると暁が帰ってきて、いちごミルクをくれた。 この甘さは疲れを少しずつ癒していってくれている気がする。 暁は帰ってすぐに家事をしてくれている。 二人暮らしの私たちは私がお金を稼ぎ、弟が家事をするというもの。 暁は考えが大人で、早く高校へ入学して…… または中卒で終わらせ、稼ぐのを手伝いたいという。 ……そんなの、反対。 それに私はコンビニバイトだと嘘をついているのだから、専門的用語を聞かれたってさっぱりだ。 援助交際をしているということがばれてしまうに決まっている。 お金を稼ぐのは私の役目。 暁には心配かけたくない。 ―――――――― ――――― ―― 次の日。 掲示板の人と会うときは必ず着ている大人っぽい黒のワンピース。 胸が大きく開いていて、露出度は高い方。 髪はコテで巻いて、体中にアクセサリーを付けて… 派手目の化粧で飾る。 今までは化粧がうまくいかなかったので、スプレーで髪を染めたりもしたが 今となっては必要のないコト。 「暁はお風呂入ってるし…行くなら今かも」
/490ページ

最初のコメントを投稿しよう!

116人が本棚に入れています
本棚に追加