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友達と出かける、と言っただけで「こんな時間に?」と心配してくれる弟。
だから暁にはこの格好だけは見せられない。
これが私の本性。
裏の顔。
噴水の前まで来た。
待ち合わせの時間まであと10分。
来てる……かな
「あれ、さくらじゃね?」
振り返ると二人組の男が私を囲むようにして近づいてくる。
「さくら……?」
「馬鹿、違うって!さくらはこんなかわいくねーよ!!」
「ん~?…まじだ!ごめんね君、間違えちゃって。可愛いよねー、名前なんてゆーの?」
はあ…!!?
なんなんだこのギャル男達。さくらだかなんだか知らないけど、こっちは用事があるんだけど!
「あの」
「もうこの際さくらちゃんでよくね?」
「ばっか!お前失礼だぞー」
話、聞いてないし。
もう……厄介な人達に捕まっちゃったなあ
名無しさんもこんな人だったら嫌だ。
一人の男が私の手首を掴む。
「なにす……!離して下さい!!」
「おー、威勢いいじゃん。お持ち帰りしちまおうかなー。」
握られた手首が痛い。
なにこれ、なんなの?
しかもなんで誰も助けてくれないの………
「ごめん、待った?」
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