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この人、怪しい。
援助交際は年齢的に高い人が多いし、車とかに乗せてラブホへ直行…
なんてパターンが多いはずなのに、この人といったら………
「じ…てんしゃ?」
「そう。車の免許持ってないから」
駅に止めていたらしい自転車を持ってきて、私を後ろに乗せる。
「名無しさんって歳いくつ?」
「んー……23くらい」
くらいってなんですか。
思い切り嘘でしょう。
「じゃ、ちゃんと掴まってて」
ぎゅっと彼に掴まると、大人っぽいいい香りがした。
体つきは細く…だがほんの少しガッチリしている。
しかも結構な美青年がなんであんなところに書き込みを………
「名無しさん、名前は?」
「くく……質問多いね。大丈夫だよ、怪しくないから」
十分怪しい。
言葉にはださずに、進む自転車の風景を見る。
「まあ俺も夢さんについて何も知らないわけだから、知りたい気持ちも分かるけどね。ゆっくり話そうか」
表情は見えないが、声が優しい。
きっと彼は笑っている。
私は怪しい彼のコトがすごく気になった。
「ついたよ」
自転車からおりるとなんともかわいらしいレストラン。逆に躊躇してしまう。
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