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やや高めのホテルに男が一人、女が一人。
ギシッ
薄暗い部屋の中、ベッドの軋む音が余計に雰囲気を感じさせた。
「……んっ…、いいねえ夢ちゃん。すっげーいいよ」
男の言葉に私はイったふりをして無視をする。
あと、30分。
それだけの辛抱だ、もう少しで「夢」ではなくなるのだから…。
「夢ちゃんさ、どこで覚えてくんのそんなテク。はまりそうだわマジで」
気持ちの悪い笑い方で私を見る。
嫌
もうたくさん……
汚いと分かっていながら止められない自分。
もう前みたいなキラキラした純粋な考えの自分はいない。
それでも………、
「はい3万円。また遊ぼーね」
汚いお金。
なんでもいい、堪らなくお金が欲しかった。
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