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結果真生の居場所はもう暫く屯所になり、回復をしたら本人を入れて大幹部が話し合うとの事だった。 それまでこの話は集まった面々の胸中に留め、決して口外しないよう近藤が箝口令を敷く。 歓喜して退室する平助達を横目に、伊東は訝しげな視線の歳三へ近付いた。 「良かったですね。 これで咲哉君もゆっくり静養できます。」 確かに慌ただしくするよりこの結果が真生には良いのだろうが、何か心へ引っ掛かりを感じる。 「彼女を助けたお返しに、弟の事は私に任せて下さい。 甘やかしたりはしませんからご安心を。」 歳三は、してやられた悔しさで顔が歪んだ。
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