短編

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「ねぇ、ショートケーキの苺は最後に食べるタイプ?」 彼女は問う。 わからない、ワカラナイ。彼女のことはいつも分からない。 「甘いものはお嫌い?」 また、質問。僕はそれらに答えるけれど、僕からの質問はタブー。僕は彼女のことを何一つ知らないのだ。 「私はね、大好きよ」 初めて知った、彼女の好きな甘いもの 僕は、嫌いだよ。 嫌いだ、嫌い、大嫌いだ。 ただ甘いだけの生活なんて。ただの、無垢で白い彼女も。捻り潰したくなるんだ。 「僕は苺、最後に食べるタイプなんだ」 葬れショートケーキ (フォークに刺さるは赤と白)
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