崩れた日常

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ユーセイの家からはどこのシェルターも距離は同じくらいで、車でも5分かかる。 ましてやナツミを背負って歩けば20分以上はかかってしまうだろう。 「まいったな、家の前に止めて置くんじゃなかった。」 ユーセイのホバーカーは倒れた街灯で運転席がペチャンコだ。 「ナツミのは昨日点検に出して帰ってきてないし、歩くしかないな。」 「ハロ、アルクノニガテ。コロガル、コロガル。」 「お前もちょっといじった方がいいかもな。」 「ユーセイワ、モットアワテタホウガイイゾ。」 「そうだな!急がないと。ナツミも大怪我かもしれない。」 「ナッチャン、シンジャウノカ?ソシタラハロモイッショニコワシテ。」 「縁起でもないこと言うんじゃない。」 「エンギ(演技)デシタ。アハハ、アハハ。」 「こいつ!」 そう言ってハロを蹴飛ばす。 「ア~レ~。」 「しまった!」 ハロは公園に飛んでいった。 ここの公園はかなり大きく、緑の芝生が一面に敷かれている。 「おーい。ハロー。どこいったー。返事もないな。ついに壊れたか?…ん?」 丘の先から煙が上がっている。 「ショートでもしたのか!」
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