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「ちょっ、お前開口一番にそれか?ひどいぞ」
僕に話しかけてくるこのゴミの名前は……忘れた。
必要のない事は覚えない主義なんだ、文句は誰にも言わせない。
「おい、誰がゴミだこら。それに俺の名前を忘れるな」
あれ、声に出してたかな?それとも読心術?
それだとこいつに隠し事は通用しない事になる。
ああ、恐ろしい。
あ、そう言えば僕の名前を言ってなかったな。
福野 優介
(ふくの ゆうすけ)
それが僕の名前。
「無視すんじゃねぇ!!聞いてんか優介!!」
「聞いてるよ、今朝のニュースの事だろう」
「違うわ!!と言うかワザとだろ!!」
やれやれ。
ゴミの相手は疲れる。
遊んでいたとはいえ、少しキツいなこれは。
「分かってるよ、武」
これでもか、と言うぐらい飛びっきりの笑顔で目の前のこいつに言う。
百万ドルのスマイルだ。
喜べ愚民。
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