11月22日(月)

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「先生、弁当食べられないんですか?」 またいつもの無表情の顔に変わった聖は、俺の前を指さして言う。 「あっ買ってくるの忘れた!」 あのメールのせいだ 「悪い、先食べてて。今から食堂で買ってくる。」 俺が立ち上がりドアへ駆け寄ろうとしたとき、白衣の裾を引っ張られ足止めを食らう。 振り返ると聖が俺を見上げていた。俺はこの仕草に弱い。 「ど、どうした」 自分で面白いくらい動転して声がうわずる。 「俺も一緒に行きます。」 思いもよらない言葉に、喜びの声を上げそうなった‥が 待て待て待て待て‥俺 やはり一昨日のメールが頭を過ぎる。 もしかすると、あのメールの差出人はこの学校にいるかもしれない‥こんな状況で、聖を連れて出歩くのは‥ まずい! 「いや、いい!」 俺は聖の顔の前に手のひらを向ける。 「すぐ戻るから、先に食べてな。お前食べるの遅いんだから」 そう言って、聖の頭をぽんぽんと撫で、部屋を後にした。 聖を危険な目に遭わせたくない‥ 俺は必死だった。
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