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「どうした。忘れ物か?」
聖はコクリと頷く。そして自分の机の前に行くと、荷物かけにひっかけていた弁当箱を取る。
俺はその様子を見届け、
「もう暗いから、気をつけて帰れよ。」
と事務的な挨拶をする。
聖は小さく頷いて、教室を出て行った。
きっと気づいてなんかいないだろうな‥
俺が、あいつに触れたくて仕方ないこと、思いっきり抱きしめたいこと、好きだよと伝えたいこと、お前は知らないんだろう。
悔しいし、ムカつく‥
未だ俺のこの気持ちは、聖に向けて一方通行か‥
両肘を机につき、手のひらへ額を当てる。
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