魔の12月

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コンコンッ 「どうぞ…」 「失礼します!  大変なんです!  これを見て下さい!」 勢いそのままに さっきの画面を 湯川博士に突き出した すると予想外の答えが返ってきた 「これが…どうしたのかね?  火星だよね?  内部に高エネルギー反応が  あることは既に確認済みだよ」 エネルギーの動きは止まり、 その上数値は さっきよりも下がっていた 「さっき変な動きを  していたんですよ!  数値もさっきより  下がってます!」 「電波障害等で一時的に  そうなったか、  もしくは見間違いだな」 その時、はっと思い出した 「火星にまつわる伝説  聞いたことありますか?  昔、星を滅ぼし回っていた  生物を火星人が  自分たちを犠牲に  封印したっていう話です」 「マヤ文明の昔話か…  さっきテレビで見たが  今、君は疲れているようだな  あんなことをした上に  今度は伝説を持ち出して…  しばらく休みなさい」 「そうですか…失礼しました」 やられた… 報道の力に もう為す術がなかった これ以上事を起こしても 人々に哀れみの眼差しを 向けられるだけだと確信した
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