魔の12月

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研究室を後にし、 少しして 会ってはいけない人と 会ってしまった。 もちろん川島博士だ いけないとわかっていながら 口を開いた 「あのデータ  あなたのですよね?  火星の内部に  危ない生命体がいると  結果が出てましたよ?  僕の計画を進めるのは  やめた方がいいです」 彼は鼻で笑ってこう言った 「まだ言ってるのかい?  うらやむ気持ちも分かるが  そんな嘘をついてどうする?  データというのは私からの  プレゼントのことかね?  あんなもの役に立たない  ただのクズだ!  火星のエネルギー研究は  すでに完了しているからな!  精々頑張りなさい」 勝ち誇った顔で 彼はその場を後にしようとした ガンッ!!!…ドサッ 僕の手には 廊下の片隅にあった 消火器が握られていて、 目の前には 川島博士が倒れていた この状況でも 嘘をついていること 自分自身の研究を クズ扱いしたこと 勝ち誇った顔 何が僕にそうさせたのか わからなかったが もう全てがどうでもよかった そこに警備員が通りかかった 「君!何をして…  !?動くなよ!!!」 「どうして  逃げる必要があるんですか?  僕は正しいことをした」 間もなく警察が到着し、 僕は殺人未遂の罪で 刑務所に入れられた ――そして今に至る
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