賭け

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――キーボードを叩き続けて 三時間、めぼしい情報はない 気分転換に外へ出ると 玲子の姿があった 「何してるの?」 「誠!?ビックリさせないでよ~  パソコンで思い当たるもの  見てたの!!」 パタンッ 「でも見つからないわ~」 「そっか…」 二人きりの時間… ちょっと楽しかった 「あのさ…  もし、地球救えたらもう一度  付き合ってくれたりする?」 少し淋しそうな表情だった 「…あのね、実は…結婚  するんだ…」 予想外の答えに戸惑った 「川島博士に  言っちゃだめだって  言われてたけど  もう耐えられないよ…  刑務所で言ったことは  本当だよ…  でも、今はもう  婚約した人がいるんだ…  期待させちゃってゴメンね…」 「そっか…」 何で期待してたんだろう? 少し裏切られた気がしたが 話してくれた勇気もわかる 心の中はぐちゃぐちゃで 涙がでそうになった だから空を見上げた ちょうど頭上で月が輝いていた 「月…綺麗だよなぁ~」 意味もなくつぶやいた 「…月?……月!?月だよ!!」 玲子が急に叫んだ 「誠!!あの波形  たぶん月だよ!」 急だったので少し驚いた 「やったな!  月の石ならここに  あるんじゃない?  聞いてみよう!」 今はとりあえず 目の前の問題に取り掛かろう そう決めた
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