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白夜がシャワーを浴びていると携帯が鳴った
もしかして歌夜?
そっと携帯を手に取り着信を見た
「聖夜さんだ」
これから仲良くしないとね
白夜の携帯に出て話を聞いて電話を切った
「俺の携帯で何をしている」
「やだな、メンバーと仕事関係以外の名前は消去して欲しいから待ってたんだよ」
「………………」
「早く消して…最初は歌夜だよ」
白夜は言われた通りに全て消去した
「浮気はダメだよ……」
「くだらない」
大好きな白夜が髪を乾かしている
「やってあげ……」
「触るな」
「白夜……」
「俺を縛るなら勝手にしろ……だけど俺の心の中にお前の居場所はない」
「心なんてどうでもいい……」
心を求めなくても
体があればいい
「出掛けるなら一緒に」
「俺の自由も奪いたいのか」
「心配だから」
「笑える」
白夜は部屋に戻って鍵をかけてしまった
「殺してやりたい……」
これから俺はずっとあいつとここで生活しなければいけないのか
あの日の事をいくら考えても思い出せない
だけど証拠がある以上俺は………
「クソッ!」
くだらない事で拗ねたりしなければ、ずっと歌夜と二人で居られたのに
京夜と仲良くしている歌夜にムカついて……何やってんだよ俺は
握手会の時も、泣きそうな歌夜を庇えなかった
「携帯」
バイブの音で携帯を取り出し着信を見て躊躇った
だけどいつかはばれる事だよな
楓さんからの着信という事はやはり歌夜の事だろうか
溜息をつきながら携帯に出て俺は部屋を飛び出した
歌夜が自殺?
嘘だろ……
「白夜?」
「社長に呼ばれた」
「社長?」
「会社に行くから」
「僕も行くよ」
「仕事に首を突っ込むな……これだけは覚えておけ」
「じゃ、タクシーで会社まで」
いらつく
話をしていても無駄なので二人でタクシーに乗り、俺だけ会社の前で降りた
そのまま玄関からロビーに入りエレベーターに乗るまで未来はタクシーから見つめていた
自殺したのに会社?
普通は病院じゃないのか
まさか……
歌夜は………
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