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「良いか?まず俺はお前の実の父親ではない。それは分かるか?」
丁寧な口調で話すレントン。
「えっ!?じゃあはh」
「母親でもない。」
「はい。」
そこまでは理解した様子のハイド。
「そして18年前の今日お前を森で見つけて帰ってきた。」
「はい。」
「その時お前の首にこんな物が掛けられていた。」
懐に手を入れ取り出したと思うと、その手には紅く透き通った石がはめ込まれたネックレスがあった。
「これは上級貴族が身につける物だ。お前の両親は貴族だろう。」
何処とはわからないが一点を見つめるレントン。
「貴族……でも知ったところで意味なんかない。だって僕は」
そう言いかけた途端
『魔物の襲撃だーっ!』
村の見張り台の鐘と共に叫ばれた。
「行かなくてわ。」
見張り台の方向を見て、手にしていた農機具とランタンを持って玄関に向かって行くレントン。
「父さん!僕も行くっ!!」
「ダメだ!お前は家を守ってろ!」
レントンは駆け出して行った。
「父さん……」
(最後まで話さなかったら物凄く気持ち悪い……)
「僕も行く!」
そう言ってハイドも駆け出して行った。
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