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レストランを出ると、私たちは近くの教会に向かった。 「来年こそは可愛い赤ちゃんを授かりますように」 2人揃ってお祈りをして、帰り道は手をつないで歩く。 重ねた手から広がる温かさ。 1人では知ることのできない幸せが、 2人でいれば当たり前になる。 「双子だったら嬉しいな」 寒そうに肩をすくめながら颯が言った。 「颯は本当に子供が大好きだね」 「うん。大好きだよ」 ほんの少し酔った颯は、いつもよりほんのり頬を赤らめて笑った。 颯のためにも、 早く子供を。 乾いた風が 私をさらに焦らせた。 .
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