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私は贅沢だ。 これ以上の幸せなんて存在しないことを、 充分に理解しているというのに。 「子供はいないの?」 「作らないの?」 当たり前のように聞かれるこんな質問にも、 笑顔で答えることができるようになった。 「行くよ!香純ちゃん」 「はいはい」 手を引く奈々葉ちゃんに笑顔を向けた。 吐き出した白い息が、空に吸い込まれる。 今年もやってくる。 2人で過ごす結婚記念日。 .
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