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ワイングラスを傾けながら、私と颯は記念日を迎えている。
「見て!」
ヒラヒラと舞う粉雪。
「ホワイトクリスマスだ」
颯はガラス越しに空を見上げながら言った。
「来年も再来年もその先もずっとずっと、2人でお祝いしようね」
私も空から降り続ける雪を目で追った。
私たちの隣には、お腹の大きな女性と、そのお腹を幸せそうに見つめる優しい男性がいる。
帰り掛けに颯が小さな声で呟いた。
「あの人、元気な赤ちゃん産んで欲しいな」
「うん!」
私と颯にはできないことを
周りは当たり前のようにできてしまう。
だけど、
それを心の底から【おめでとう】と思えるのは、
私たちが幸せだからだよね。
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