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夕飯を終え、私たちはソファーに腰掛け今日の出来事をお互いに話す。 これは毎日欠かさず行っていることだ。 会話することはとても大切なこと。 口にしなければ伝わらない気持ちがたくさんある。 これは夫婦円満の秘訣だと、律子に教えられた。 「りっちゃん元気だった?」 「うん。母子共に健康だって!帰りにベビー服見に行っちゃった。旦那の賢治さん、おもちゃとか買ってきてるんだって」 「気が早いな」と颯は言ったけれど、颯もきっと賢治さんと同じように早くからベビー用品を買ってくるんだろうなと、勝手に想像してしまった。 「何ニヤニヤしてるんだよ」 「何でもないよ」 私の素敵な想像だもの。 教えてあげないんだ。 颯は私の肩をそっと抱き寄せると「俺は男の子が欲しいな」と優しくキスをくれた。 「あたしはどっちでもいい」 男の子でも、女の子でも。 深く目を瞑り、 体を 心を 颯に預けた。 私たちは 新しい家族を 望みました。 .
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