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俺はマウンドから下りて1年のベンチに向かった。
「あ~あ。ほどほどにしとけよ、猛」
…その声は俺には届かなかった。
わざとドスドスと音を立てながら足は進む。
「おい。藤崎、お前野球やりたくねーの?」
となるべく平常心を保ちながら言った。…はずだ。
すると藤崎は
「野球はしてーよ。けどさ弱いヤツの球、打っても面白くねーじゃん」
((な、に、、言ってんだ!!俺が弱いって、、なめてんのか?!))
ダメだ…押さえらんねぇ…
「そんなに先輩馬鹿に楽しいか?!弱いって言うのは俺の球打ってからにしろ!!!早く打席立て!!」
俺は藤崎の胸ぐらを掴みながら言った。もう少しで殴りそうだ。
しかし俺より藤崎の方が長身のせいかその手は直ぐに払いのけられてしまう。
「ハイハイ。わかりましたよ。先輩」
わざとらしく言う藤崎に俺はさらに頭に血が上る。
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