話し合うゲーム部。

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「大問題が発生しました」 天音学園での我が家とも言える《ゲーム部》に入ると、俺はツカツカと窓際に向かい日の当たるその場所に立つと、カーテンの隙間から外を見つめたまま語る。 『大問題?』 みんなに背を向けたまま、俺は振り返ることなく一度だけ頷いた。 「ふむ。遊びを一時中断する大問題勃発ですか……。勇君なにがあったんです?」 その大問題に眼鏡を光らせるほどの頗る興味をもったのは、藍沢登(あいざわ、のぼる)だった。 容姿端麗、頭脳明晰、金銀財宝、藍沢財閥。 お金持ちで若干カ〇ル君よりな性格で、性別はやたら俺を求めるオス。 頭の良さのキレを例えるならば《諸葛亮》の位置にあたる彼だった。 「……聞きたいか?」 「聞かせたくないなら、窓際で哀愁を漂わせながら言うのをやめて下さいよ、勇ちゃん!」 『ごもっとも』 そのツッコミに一同シンクロ。 可愛い顔してツッコミを入れたのは、神谷塁(かみや るい)ちゃん。 天然少女、妄想加熱、同人万歳、エロゲ神(ゴッド)。 『知らない知識はゲームで得るです!』がモットーな、戦隊ならピンクの位置にあたる女の子。 「勇ちゃん、部活ルールです。困ったときは相談ですよ!」 「うん。分かってるよ、塁」 「だよな。部活に来るなり俺様と椿の一戦をストップさせたんだ。マジで、それなりの理由は聞かせてもらいたいぞ?」 「信也一敗してピンチだったからいいじゃん」 『確かに』 俺の言葉に皆が、信也に冷たい視線を向けて言った。
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