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ぼくは、ビョウインというところに連れていかれた。たしか、お母さんに会った日に連れてこられた気がする。
「癌だって。」
ガン?
なんだろう。
でも、昔、トラじいが、そういうやつで、いなくなったんだ。
ぼくも、いなくなっちゃうのかな。
ぼくも、もう、年寄りだって、みんなが言ってた。
「ジジ、出ていいよ!」
お姉ちゃんが、ゲージのドアを開けた。
ぼくは、ゲージ暮らし。
みんな、自由に歩き回ってるけど、ぼくは、どうしてもレオや茶太郎と喧嘩しちゃうから、ゲージに住むようになった。
だけど、あのビョウインにいった後から前よりたくさんゲージから出してくれるようになった。
嬉しいけど、ちょっと不安だ。
ぼくは、やっぱりもうすぐいなくなるのかな?
だから、自由にしてくれるの?
でも、今までだって幸せだったんだよ。
自由じゃなかったけど、幸せだった。
ぼくは、幸せだ。
あの頃よりずっと。
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