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牛のふんが落ちていそうな田舎道でそんなものを履いてどうするのか、親の主張は大体そんな感じだった。
道の問題ではないのだ。中身のかっこよさの問題なのだ。さらに突っ込んでいくと人間性と言う名前の中身がブーメランになって襲って来そうだったのでサトルは考えるのをやめた。
『んーん。なんか暇だったから電話しただけー』
けらけらと笑う声は楽しそうで、酒でも飲んでいるのかとサトルは苦笑した。
星空はまさに満天と呼ぶにふさわしい数の宝石を取りそろえ、とどのつまりは民家も施設も近所にほとんどない現実を伝え、無灯火で自転車を押している自分にわけもなく落ち込んでしまった。
足元でぐちょりと泥が嫌な音を立てたせいもある。
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