■僕の物語■

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汽車(電車なんか走ってないド田舎なわけで)から下りると、突然友人が彼女に声をかける。 「ねえ、こいつの話があるっていーよーもんね(話があると言っているんだけど)」 え? 聞いてないんですけど? と、突然おとずれた告白タイム、僕はドギマギ、アタフタ、しどろもどろ、そわそわ、とりあえず頭、真っ白なわけで。 駅前の電話ボックスの前、青いベンチにバッグを置いて、とりあえず世間話。 「あつかよねー」 「あつかねえ」 「学校、楽しか?」 「うん。楽しかよ」 オウム返し、尻切れトンボ、続かない会話。 すると彼女。 「ところで、話って何(なん)?」 早くも確信をつかれ、甘いひとときなど迎えられるわけもなく、撃沈していった戦友たちの姿が走馬燈のようによみがえっていく。 「あのさ、つきあってよ」 「よかよ」 「え?」
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