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淡く輝くそれの前に、あなたは静かにしゃがみこむ。
ためらいがちに触れて、七色のそれが消えてしまわないことを確認すると、うれしそうに素手で土を掘り返し始めた。
誰に否定され、笑われても、あなたはずっと信じ続けていたからね。虹の根元には宝が埋まっている、と。「いつか虹の根元の宝を手に入れるのが夢だ」なんて言って、ずいぶんと馬鹿にされていたっけ。
淡く輝く虹の根元を、荒い息でせっせと掘り返し続けるあなたは、気が付いているのかな。やわらかな皮膚が血でにじみ、やぶけ、傷口に土が入ってしまっているということに。それから、虹の根元を掘れば掘るほど、鮮やかだった七つの色が確実にくすんでいってしまっていることに。
やがて虹は色を失い、あなたは歓喜の声を上げて夢から目覚めた。一瞬、あなたはベッドの上で絶望に満ちた表情になる。でもすぐに気が付くはずだよ。手が土で汚れていることに。その手の中に、強く強く握りしめているものが……あなたの夢が、あることに。
ああ、できることなら今すぐに伝えたい。カーテンの向こう側に綺麗な虹が出ているよ、と。
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