705人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「お父さんとお母さんに、大切なお話があります」
3月上旬。
U‐18テニス世界大会日本代表選手選抜合宿、最終日。
アイドルユニット「SIGNAL(シグナル)」赤城華恋(アカギ-カレン)は、居候する浅羽家の両親に緊張した面持ちで切り出した。
「あたし、聖蓮に通いたい、です」
「ああ、良いぞ」
いつもみたく、重要なことでも聞き流すようにあっさりと承諾してくれたのは、一家の大黒柱の浅羽八雲(アサバ-ヤクモ)。
ただし。
ヤクモが出した一つの条件。
「卒業までこの家で暮らすこと」
カレンはもう一つ、家を出ることを伝えようとしていた。
2ヵ月も厄介になり、これ以上は迷惑だと判断した。
その決意を見透かし、阻止するかのように提示された条件。
最初のコメントを投稿しよう!