2人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
毛布の塊がもぞもぞと動く。
出てきた男はふわふわな茶色混じりの猫っ毛で、眠いのか目を擦りながら起きた。
「あの、大丈夫ですか…?」
「ん…へーき」
舌ったらずなその声にちょっとだけ胸が高鳴る。
…いやいや。ときめいている場合じゃなくて。
「こんなとこで寝てちゃ駄目ですよ」
「…た」
「はい?」
男が何かつぶやいたので、夏希は思わずしゃがんで聞き取ろうとした。
「お腹…へった」
「…は?」
あれ、話が噛み合わないぞっ!
最初のコメントを投稿しよう!