拾ってください。

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毛布の塊がもぞもぞと動く。 出てきた男はふわふわな茶色混じりの猫っ毛で、眠いのか目を擦りながら起きた。 「あの、大丈夫ですか…?」 「ん…へーき」 舌ったらずなその声にちょっとだけ胸が高鳴る。 …いやいや。ときめいている場合じゃなくて。 「こんなとこで寝てちゃ駄目ですよ」 「…た」 「はい?」 男が何かつぶやいたので、夏希は思わずしゃがんで聞き取ろうとした。 「お腹…へった」 「…は?」 あれ、話が噛み合わないぞっ!
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