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救急車で運ばれた病院で傷の手当を受け
更に興奮状態で、取り乱していたアタシは
安定剤の点滴を受けた。
真っ白な天井をぼんやり見つめ
空っぽになった心に
自分のしたことの重大さにも気付かず
ただこのまま消えて行きたい…
まだそんなことを考えているうち
点滴の薬のせいだろうか
うとうとと眠りに吸い込まれて行った。
だが、神経が高ぶっていて熟睡していないのだろう
かすかに医師や看護師の会話も聞こえる…
半分意識がありながら
時折夢を見ていた。
今となっては
どんな夢だったのかは定かではない。
様子を見に来る看護師の足音と共に
複数の足音がそれぞれのリズムを刻む…
かすかに目を開け
音のする方へ視線をずらした。
拓也と里沙だということを
雰囲気から察した。
次の瞬間、その後ろに
思わぬ顔を見つけたアタシは
驚きのあまり息を呑んだ。
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