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家に着くと
彼はやっと口を開いた。
「仕事あるから行くけど
一人じゃないんだから…
たくちゃんやりーちゃん
それに…俺もいるから
ずっといるから・・・
お願いだからもうこんなことしないで
約束して…」
アタシは床にしゃがみ込み
また声を上げて泣いた。
「ママ…寝た方がいいよ
さっきもらった薬飲みな?」
里沙が水を持ってきた。
かばんから《頓服》と書かれた薬の袋を取り出し
液体を飲んだ。
「仕事が終わったらまた来るから…
たくちゃん、りーちゃん
ママのこと頼むね!
かなちゃん、ゆっくり休むんだよ
今は何も考えるな」
そうだ・・・
過ぎてしまったこと
犯してしまったこと
今更悔やんでも
もう過去へは戻れないんだ…
自業自得で自滅しただけなんだ・・・
諦めるよう
何度も自分の中で反芻させているうち
アタシは深い眠りについた。
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