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彼の優しさに触れる度に
段々と気が重くなる・・・
アタシはまだどこかで
よしきを引きずっていた。
そんな気持ちのまま
彼の優しさに甘え
ズルズルと付き合って行くことに
かなりの抵抗を覚えていた。
「アタシ…今は付き合うとか
彼氏彼女とか…
そういうのは負担なんだ
まだ気持ちが切り替えられないし
今のままではまた傷つけるかもしれない
あなたの気持ちに
応えてはあげられないから・・・」
「わかってるよ…
俺はね、もう散々傷ついたんだよ
今更いいんだ。
君がやるだけやって
気が済むまでやってこいって
そう言った時から
自分の想いは無くしたようなものなんだ
ただ支えてやりたいだけなんだ
好きになってくれなくても
側にいて立ち直るまで
見届けたいだけなんだ
俺の気持ちは考えなくていい
好きでやってるんだ
裏切られることなんて
もう恐れてないよ」
静かに語る彼の言葉に
余計辛くなる。
どうして運命は
こんなにも皮肉なんだろうか
こんなにも愛してくれる人が
酷いことをして
傷つけたにも関わらず
それでも愛してくれる人がいるのに
その胸に素直に飛び込むことができない・・・
だけど心には
嘘はつけなかった。
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