☆夢の終わりに…☆

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1月の末… 祥子が実家へ戻った折 佳奈子の元を訪れた。 「よしきくんに電話したよ… ちゃんと謝っといた。 それからかなが手首切ったこともね・・・」 「うん…」 アタシはその先を聞くのが怖かった。 「なんか言ってた? そのこと…」 「うん…多分そうなんじゃないかって思ってたって…」 「そっか… 多分軽蔑しただろうな…」 アタシは目を伏せた。 「もう祥子さんと二度と話すことはないと思います。 お世話になりましたって… かほちゃんには幸せになるよう伝えて…って それで電話切ったよ。 もうよしきくんも決心つけたみたいね」 決心か― もう二度と戻らないって決心だよね… あおいと生きてくって決心なんだよね… アタシは改めて もうどんなに望んでも 二度と会うことも 二度と話すことも 二度と触れ合うこともないという現実を認識した。 アタシが選んだんだ… 自分で道を塞いだんだ… もう振り返ったり 後悔してはならない・・・ その時、それを深く胸に刻んだ。
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