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2月…彼はマンションを購入した。
会社から5分という近さに…
そしてその4LDKのマンションの一室を
アタシの為に
いつかアタシと住む為に
アタシがいつも利用してもいいように・・・
出窓の枠を白いペンキで塗り替え
ファブリックは
全てピンクで統一
姫系が好きなアタシにピッタリの部屋になった。
一緒に買い物へ行き
家具や雑貨、
カーテンなど一緒に選ぶ…
アタシは漠然と
いつか子供が巣立ったら
ここに住むようになるのかな…
そんなことを考えながら
知らず知らず
彼の愛を受け入れ
それに甘え
いつしかあの忌まわしい事件を
記憶の彼方へと追いやっていた。
もうアタシは
この人について
幸せに向かって行くんだ…
安心感と穏やかな愛情
それが傷ついたアタシの
心の回復を早めていたのは
紛れも無い事実だった。
燃えるような激しい感情はない…
だけど居心地はのいい関係に
アタシは結構満足していた。
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