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それでもアタシは
心の隅に僅かでも
期待をしていたかった…
でももうそれも3月まで・・・
アタシは殆ど諦めていた。
…というより、なるべく考えないようにた。
可愛くアートして
デコ電にしたDoCoMoをいつも持ち歩き
二人の思い出の詰まったvodafoneは
忘れ去られた玩具のように
無造作に枕元に転がっていた。
朝になると
途端に賑やかに音楽を鳴らす…
ゼンマイ仕掛けの玩具が
いきなり動き出すかのように
その時だけは
存在をこれでもかと誇示していた。
アタシは苦しくなるだけだったので
敢えてメールを読み直したりすることはしなかった。
もう振り返らない
後戻りしないと
決めていたから…
解約を目前にしたある日
出先から帰ったアタシの目に
珍しく着信を報せるランプが
点滅しているのを発見した。
このvodafoneに
今更着信を入れてくる者は
殆ど皆無に近かった。
アタシの胸は高鳴り
それと同時に
着信履歴を見る手元が震えた・・・
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