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平常心に戻った俺はスッと立ち上がった。男はシブい目つきを今度は俺の顔に向けてきた。自慢じゃないが、俺は自分の顔には自信がある。輪郭シャープだし、切れ長の目に二重瞼なのだ。どうだ!参ったか!
すると男は、突然ベルトをカチャカチャと緩め出した。
ま…まさかこいつ…!この場で俺を掘る気か!?…いくら俺がイケメンだからって、ふざけんじゃねえ!俺はこう見えてもオクテだからまだ童貞なんだ!ハジメテが男、しかもこんな激シブのオッサンなんてやだ!
男のパンツがぽそりと落ちた。すると何と、男はふんどしを身につけているではないか!
ボクサーパンツの時代にふんどしだと!?タダモノじゃねえ…。
男はふんどしのヒモに手をかけた。そしてビリッと引き裂いた。ふんどしがはらりと落ちた。当然、男の下半身がスッポンポンになる。俺は驚愕した!
黒いジャングルの果てに、男のワイルドチャイルドがダラリと頭をもたげているのだが…とにかくデカい!こんなのはじめてみた!まじパネェ!
俺が見惚れていると、男は勝ち誇ったようにニヒルな笑みを浮かべた。くそっ、ナメやがって…!
すると男は突然革ジャンのジッパーを開き、胸元に手をやった。流れるように動いた男の手には、いつの間にかオートマチック式の拳銃が握られていた。銃口は俺の方を向いている。
突然の出来事にビックリした俺は腰が抜けてドスっと尻もちをついた。ほ…ホンモノ…?
男はもう片方の手でタバコを一本取り出し、それを口にくわえた。顔付きが険しくなってきた。
「ひぃぃ…」
声が出ない!まじ意味わかんない!コワい!
俺…こんなワケわかんない状況で死んじゃうの?まだ童貞なのに…くそっ!
ドキュン!
音が鳴った!
「はぐうっ!?」
俺は悶え声を上げ、ダラリと床に崩れた。そして股関から暖かい感触が…。小便が…俺の聖水がフローリングを流れていく…。
あれ?
何かおかしい。何ともない。銃で撃たれたはずなのに…。
俺はハッとして男の方を見た。すると、男の銃から火がぼうっとのぼっている。男は口にくわえたタバコに火を近づけた。
銃はただのライターだった!ご丁寧にリアルな音まで出る。
俺は放心した。
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