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俺が放心していると、男はいそいそと拳銃式ライターを胸元にしまった。そして一服こきだしやがった。
どーいうことやねん!思わず関西弁になる。
すると、突然トタトタと階段を登るような音が小さく響いてきた。この可愛らしい感じの階段上昇音は…。
「しょうきち~?何かあったの~?」
す み れ 姉 ち ゃ ん だ !
先程述べた大企業のOLで働く従姉妹こと花音(かのん)すみれ姉ちゃんは、どこか天然なところがある癒し系ほんわか美人オフィスレディーだ。調査によると身長170cm、体重56kg、スリーサイズは俺の推定B92、W60、H88。長身のナイスバディー!思わずよだれが出ちまうぜ!
はっ!イカンイカンそんな場合じゃねえ!この状況をどう言い訳するッ!?
そしてこの男…ひょっとしたらすみれ姉ちゃんを襲いだすかも知れない!だってこいつは今、下半身がスッポンポンなのだ!剥き出しになったワイルドチャイルドが、いつすみれ姉ちゃんを襲うワイルドジェントルメンに成長するかわからない!
ガチャッ!
そんなことを考えてたらすみれ姉ちゃんが部屋に入ってきてしまった。
「しょうき…ち…」
ポカンとしてしまった。そりゃそうだ。従兄弟の部屋に入ったら従兄弟は小便を漏らし、そして何より見知らぬ男が下半身スッポンポンでタバコをくわえてるのだから。バイクまであるし窓ガラスも割れてるし。
男はすみれ姉ちゃんに気がつくと、そのまま眉をひそめて凝視し始めた。タバコを煙を吐き出しながら、だんだん舐めまわすような目つきになってくる。
「す…すみれ姉ちゃん、逃げろ!」
俺は最後の力を振り絞って叫んだ!
同時に、男のワイルドチャイルドはビキビキとワイルドジェントルメンに成長した!そしてつかつかと姉ちゃんに歩み寄る!
ヤバい!姉ちゃんがヤラれる!くそっ…この体さえ動けば…!
「やめろおおお!」
俺は精一杯叫んだ!
「いやああああ!」
呼応するように姉ちゃんが叫びだした!
男は構わず姉ちゃんに歩み寄る!
そして…。
「…悪いが、ズボンを一着貸してもらえないだろうか?ウエストのサイズは76cmだ。」
男は淡々と言った。
「へ?」
間抜けな声を出す姉ちゃん。
部屋は水を打ったように静まり返った。
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