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「ふーん、そんなことがあったんだ…」
教室の中、早めに高校についた俺は後ろの席の男に今朝の出来事を話していた。
こいつの名前は卍川原翔太(まんじがわらしょうた)。いつも教室に一番乗り、成績トップクラスの優等生だ。こいつも結構なイケメンだが、ダサい眼鏡とモッズヘアーのためにそんなにモテない。夢はライトノベル作家。
ちなみに翔太はモッズヘアーであるからと言って、ビートルズやザ・フーが大好きというワケではない。どちらかと言うとCCBの大ファンだ。ロマンチックが止まらないらしい。
「それはラノベ的に言うと間違ってるよね。窓ガラスが割れちゃいけないし、小便漏らしちゃいけない」
「うるせーよ!しゃあねーだろ漏れちまったもんは!」
「そしてやっぱり、普通そういう時って異世界の美少女が来るもんだよね」
「だろ?だろ?全くその通り!テンションだだ下がりだぜ!」
時間が経ってガヤガヤと教室が賑わってくると、一人の大男が俺らの下に寄ってきた。
「よお!」
「おう!」
「おはよう、須藤くん」
こいつの名前は須藤ゴン太(すどうごんた)。柔道をやっており、筋肉で張った巨体を持つかなりの大男だ。こいつも顔は悪くないが、いかんせんゴツい。どんなに二重で睫が長くても、眉剃ってても、髪型アシメにしてても、輪郭も骨格もゴツいため、結果ゴツいのだ。
「何の話してんだ?」
「何かね、今朝佐藤君の家でスゴいことが起きたみたいなんだよ?」
「なんだ?」
俺はゴン太に一部始終を説明した。ゴン太は爆笑しだした。
「ショウ何お漏らししてんだよ!はっはっはっは!」
「バッ…てめえ声でけえんだよっ!」
ゴン太の頭をすっぱたく。ちなみにショウとは俺のあだ名だ。翔太以外はみんな大体この名で俺のことを呼ぶ。
「笑いごとじゃないよ須藤君!これはラノベ的にとても不可解な出来事なんだ!」
「だよなあ~。ショウがその…松田優作似の男のウィンナーをオカズに済ませたってことがだろ?きゃははははは!」
爆笑するゴン太。そう、こいつは典型的なバカなのである。クラスの他の奴らがザワザワと俺らの方を見る。何たる恥辱…!
すると、担任が教室に入ってきた。こいつは頭がツルピカなのでハゲチャビンと呼ばれている。
「え~、今日はみんなに新しい仲間を紹介する!転校生だ!」
そしてハゲチャビンに促され、転校生が姿を現した。
その姿はなんと!
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