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リーはミセの2階にある貸し部屋の扉を叩いた。
「フェイ!起きて!」
昨日コーヒーを飲み過ぎて夜寝れなかったとかでミセの貸し部屋で昼前まで寝ていたフェイが起きてきた。
「うーん?リーさん?」
「すごい寝癖だね。」
「うん?ああ。いつも大変なんだよな。」
「ぬう。それどころじゃないんだ!りすかが大変なんだ!」
「りすかが!?どしたの!!?」
「この前ダンジョンで手に入れた妖しいドレスをミセの書庫でどんなものか調べてたんだ。そのあいだハンガーにかけてたんだけど、りすかがこっそり着て、そのままどこかに行ったみたいなんだ。」
フェイはあくびしながら言った。
「なんだ。大丈夫だよ。らん姐えかヒトチャに見せびらかしに行ったんだよ。」
リー「違うんだ。書庫で調べてわかったんだけどドレスに化けて女神アネータを倒そうとした闇の精霊が逆に女神にドレスに封印されたものだったんだよ。それを着たりすかは多分精霊に体を乗っ取られてるな。」
「えー!!やっかいなモノを持ち帰ったなリーさん!どうする?どうやって脱がす?」
「フェイが言うと変な目的に聞こえるよ。大丈夫、倒す方法はわかった。」
「変な目的ってなんだよ!?ともかく方法があるならすぐ追わないと…」
「その前に女神と時の精霊の力を借りに行かなきゃいけないんだ。応援も呼ぶから、とにかくフェイはりすかを追いかけて。」
「ボビィは?」
「りすかにミセ任せてどこか出掛けてるらしいよ。」
「まったく!店主なのにこの大変な時にいないなんて!」
「自分は一応店員なのにいままで寝てたのにね。」
「うぅ。でも追いかけるってどこ行ったか分からないよ?」
「それは分かるよ。ウィス・ネマキのダンジョンにも闇の精霊がいるから仲間に会いにいくはずだよ。」
「わかった。すぐ追うよ!!早く追いついてね。何かあれば携帯で伝言飛ばすからねー!」
フェイは部屋にあった携帯万能神器を掴むとバタバタと走り去った。
「………寝癖のままで行ったな。」
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