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「国際治安維持組織『サルトナ』の特別執行部隊副隊長フォーレス・アウル。そんな方が、わざわざ俺を探しに来たって訳か」
「随分と僕について詳しいんだね」
「ああ。『鎖球の忠犬』の名は有名だからな」
お互いに軽い口振りで、しかし闘争心をむき出しにして対峙する。
「へえ。僕の名前ってそんなに知られてるの?」
「ああ。未成年のクセに特権を乱用してアルコールを飲み漁り、犯人を捕まえる為なら街が壊れても気にしない、キチガイなガキだってな」
「……挑発すれば攻撃するとでも思ってるの?」
「いや? こちらから仕掛けるつもりだが?」
顔をひきつらせるフォーレスに、キルバは右腕を振りかぶって突進した。
それを交差させた腕で受け止め、フォーレスは反撃をしようとガードを解いて。
「――!?」
その時には既に、左腕が鳩尾に迫っていた。
「うおぉおっ!?」
それを体を横にして避け、更に来た追撃を後ろに跳んでかわす。
(この人……意外に強い)
二、三発殴ってから間合いを取り、また突進する。キルバはそんな単調な攻撃を繰り返しているだけなのに、フォーレスは防戦一方である。
「流石に、保安官を撃退するだけはあるってわけか……」
フォーレスは舌打ちをして、体勢を立て直す為に一度後退した。
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