60人が本棚に入れています
本棚に追加
「…ここは…えっと…?」
懐かしい匂いがした。
体中から何かが込み上げる。
ふと空を見上げた。
込み上げてきた何かを抑える為にした行動が…私に真実を教えてくれた。
真っ青な空には異界の船が飛び交っている。
そこら辺に立派に建っている民家とは不似合いに、気味の悪い生物が人間に混じり二足歩行で歩いていた。
知っている。
私はここが何処なのか知っていた。
地面にペタリと座り込んだ私を少し不審な目で見詰める人々だが、一切私に話しかけてこなかった。
妥当だろう。
弓矢を持った奇妙な少女と関わろうなんて誰も思わない。
何か不幸なことがついてくるに違いない。
私は唖然としたまま掌を見詰めた。
生きている…。
私はこの世界でも…生きている。
最初のコメントを投稿しよう!