ショックから立ち直るのには時間がかかる。

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がくりと…膝から崩れ落ちた。 私の何がいけなかったのだろう…。 何が足りなかったのだろう…。 一体…何が…。 私は安達夕菜。 大学受験に落ちた一般社会の負け組みです。 一番上の兄:裕樹は…アメリカの美人と極々普通に家庭を築き、日本には…帰ってこなくなった。 私はというと…県の工業大学に受験を受けることを決意し、魂が抜けるぐらい勉強してきたが…。 今、この瞬間でその勉強時間が無駄になった。 マジかよ…。 「きゃあ!!受かった!! マジで!?写メ!!写メ撮んなきゃ!!」 あ…うぜぇ…。 落ちた人間の隣で言うか?普通。 涙を拭いて隣を見るとぶりぶりの服を着た娘が立っていた。 沢山デコった携帯で角度を変えながら自分の番号を撮っていた。 くそっ!! 私はこんな奴に負けたのかッッ!! 「ちょ、マジありえねッッ!! 友子と桃にメールしよッッ!!」 勝手にしやがれハゲッッ!! つかハゲろッッ!! 何でふさふさなんだよてめぇの頭!! アデランスかッッ!? アデランスなのかッッ!? ぬぁあああああああ!!! 「送信…え?」 無意識に私の体は動いていた。 乱暴にウザイそいつの汚らわしい携帯を奪い取ると…。 “ベキッッ” 「あぁあああああああ!!!」 真っ二つに折った。
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