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??「お兄ちゃん。朝だよー」
今日もまた親に言われ俺を起こしに来た妹の声で目を覚ます。
歳は俺より一つ下。
名前は竜子(りょうこ)。
普通は『りゅう』と読むので、珍しいと良く言われる。
龍貴「今起きる」
ベッドから出てドアの向こうへ返事をする。
それを聞き、トタトタと足音が去って行った。
俺は制服に着替えリビングに向かう。
俺の名前や妹の名前に龍、竜が入っているのは親が龍や竜の様に勇ましく強い人間になってほしかったかららしい。
まったく迷惑な話だ。
俺はリビングのドアを開く。
目の前のテーブルには既に朝食が並べられている。
父は椅子に座り新聞を読んでいる。
母は父にコーヒーを渡す。
龍貴「おはようございます…」
俺は礼儀正しく挨拶する。
竜子「オハヨー」
母「おはようございます」
父「龍貴、起床時刻が少し遅いぞ」
また始まった。
父「だいたいお前は……」
ハイハイ、ワロスワロス。
俺は父の話を右から左に聞き流す。
父は一流会社の幹部で仕事でも日常生活でも時間をキッカリ守る堅苦しい奴だ。
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