一符「春休みと少女達」

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…… … 七日目 守矢神社 早苗が神社の周りを掃除し終え 戻ろうとすると 神社の中から 神奈子の話し声が聞こえた サナエ「(…お客さんかな?)」 早苗はお茶を煎れ 神奈子の元に向かった ……… サナエ「…失礼します」 カナコ「ん?…あぁ 丁度良いところに ほら、さっき話していた早苗だ」 サナエ「?」 神奈子が話していたのは… サナエ「あ、ワンちゃん」 そこにいたのは まるで狼のような 真っ白な毛の戌 早苗は持っていたおぼんを 卓袱台の上に置いて 戌に近づき、頭をなでた サナエ「可愛いですね ……あれ?…この隈取り…」 カナコ「ハッハッハッ そいつはそこらの戌じゃないぞ れっきとした神様 "天照大神"だ」 サナエ「――っ!? ご、ごめんなさいっ! とんだ無礼を…」 アマテラスは ワン、と一声鳴いた カナコ「『撫でられるのは 嫌いじゃない』とさ 怒ってなどいないぞ」 アマテラスは眼を細めて 早苗の手に顔を擦り付ける サナエ「……あはっ」 早苗は笑顔になり アマテラスの頭を撫でた …… …
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