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転移すると、場所は先程転移魔法陣のあった校舎の南側ではなく、中庭の桜の木の下であった。転移し終わると、浮かび上がっていた転移魔法陣は消える。
一年中、咲き続けているこの桜の木の下は桃色の花びらがゆっくりと舞っていた。
「いや~この桜は何時見ても綺麗だなぁ」
スレイがそんなことを言う。
まぁ、俺も同感だ。
しかし、ソイは興味が全くないようで、欠伸をしながら先へ行こうとする。
女子2人もそんなソイを見て、溜め息を吐く。
「この美しさがソイさんにはわからないのでしょうか?」
「あいつの中では一番が女子で花はランク外だからね。ウチらの気持ちとかわからないよ」
「そうですか…哀れです」
「そうだよね…」
女子2人がソイの後ろ姿を見て、大きく溜め息を吐き、ソイの後に付いていく。
それを見た俺とスレイもその後に付いていった。
校舎から二年の寮までは歩いて5分程。
三年になると二倍の10分になる。
俺達は5分程の時間を歩きながら、雑談をする。俺はさっきまで雑談に加わっていなかったので、よくわからなかったが笑わせては貰った。
寮の目の前まで来ると、俺は必ず溜め息を吐いてしまう。それは、この寮の大きさのせいだろう。
50階とか…どこの高層ビルだよと内心強く突っ込んでしまう。
俺達は、その後別れて自分の部屋へと向かう。クイスハイネス国立魔法学園の寮は半分から下が女子、半分から上が男子となっている。
因みに生徒会役員の部屋は、俺・スレイ・ソイが最上階。エルザとアリスさんは25階となっている。
成績優秀者程上へと行くのがここの学園での決まり。まぁ、ぶっちゃけ自分の階まで、みんな転移魔法陣で移動だから、窓から見える景色の違い位しか良いところはないが…
先にエルザとアリスさんが転移魔法陣を使って自分の階へと向かった。
俺達男子も転移魔法陣に乗り転移する。
最上階へと転移すると、俺達は別れの言葉を言い、各自自分の部屋へと入っていった。
自分の部屋に入った俺は一息つきたいが、そんなことは言ってられない。俺はポケットに入れておいた、あの紙を取り出し再び内容を確認する。
「はぁ、なんでこんな物があの中にあったんだろ…」
その紙に書かれてあった内容は。
―――――
ギルドNo.4への討伐任務依頼。
討伐対象:オーク×50
場所:エッセ村
ランク:A
報酬:オーク一体につき1万zel
―――――
―――――To Be Continued...
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