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俺は反撃に転じる前に火傷の酷い人物を戦闘範囲外へと連れていき、そっと寝かせる。
「Dark(闇)・Defense・22《黒箱》」
寝かせた人物の場所の地面から、黒い靄が噴出し包み込む。
すると、靄は徐々に形を成していき、黒い箱の様になった。
俺はそれを確認すると、《黒箱》に背を向ける。
何故か俺を待っていたジンは、宙に浮きながら腕を組み、俺を見下していた。
「問おう。お前は何故、攻撃をし、人を傷付ける?」
「最強は俺だぁぁぁぁ!!」
俺、この世界の共通語を話している筈なのだが…
ジンには通じないようだ。
刀を抜き、空中から急速落下して来るジンは、突きの構えで向かって来る。
俺は冷静にそれを見据え、ジンが来るのを待つ。
「Fire(火)・Assist・3《火脚》」
「Fire(火)・Assist・11《爆走》」
「Fire(火)・Assist・24《火狼進》」
三重魔法と重力で速さを高める。スピードは完全に隕石だ。
更に…
「神火龍鳳凰之型【一対貫徹】!!」
貫通力抜群の突きの型【一対貫徹】。一年前に最硬のドラゴン、ダイアモンドドラゴンを三体一気に貫通し、絶命させたという、ジンの最強の技の一つ。
だが、俺はいつも技名を聞くと疑問が浮かぶ。
「火龍なのか鳳凰なのかどっちだぁぁぁ!!」
俺はそう叫びながら、サイドステップをし、拳を全力で振るう。
刀は空を斬り、俺の拳はジンの顔面を捉え、地面にジンを叩き付ける。
俺の背後では巨大な爆発が起き、底の見えない巨大な穴が出来上がり、前ではジンが地面にめり込み、その周りには地割れが波紋のように広がっている。
「あと画数が多すぎだ」
俺はそう言って、地面にめり込み、気を失ったジンを乱暴に担ぎ上げ、後ろの《黒箱》が大丈夫か確認する。
ギリギリ攻撃を逃れた《黒箱》を見て、安堵の溜め息を吐く。
あれが当たってたら、確実に塵となってただろう。
おぉ~怖っ。
魔法を解除し、火傷の人物も担ぎ上げると同時に…
「おっおい!!何があった!?」
グッドタイミングで現れる先生。
アンタ、絶対見てたろ。
―――――To Be Continued...
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