にしやん

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今日も亮ちゃんは遅くまでドラマの撮影。 俺も撮影あったけど、夕方には終わって早めの帰宅。 帰宅といっても、亮ちゃんちなんやけどね。 今日は火曜日。 そう、愛しの亮ちゃんが見れるんよ。 べつに自分の家で見ればいいやん!って思うかもしらんけど、ここなら本物が見れんねんで! あっ、もうすぐ9時や。 テレビ、テレビ! 「やっぱ、りょーちゃんは可愛いな…」 思わず心の声が…。 “とりあえずキスする?” 「キス!?」 衝撃発言すぎて、一人なんに叫んでもうたわ。 キスする?って… 亮ちゃん普段はそんなん言わないのに。 しかも“とりあえず”って…。 どんだけ軟派な人やねん。 「ただいま~」 亮ちゃんも変わってしもたんやね…。 「おーくら?」 「ん?……ん!?」 「ただいま」 「…おかえり」 テレビの中の亮ちゃんに夢中になってて気付かんかった。 そうや、あの軟派な人は演技やった。 でも演技だとしても、恋人からすれば気分は良くない。 これは反省してもらわないと。 「りょーちゃん」 「なに?」 「キスして?」 「なんで?」 「いいから」 「やだ」 「ほかの人には自分から“キスする?”って言ってんのに、俺にはできないん?」 「何が言いたいん?」 「ドラマ」 「は?」 「杏ちゃんに言ってたやん」 「あぁ~。だってあれは演技やんか」 「演技でも嫌やの」 「しゃあないやろ…」 「りょーちゃんからキスしてくれたら許す」 「じゃあ風呂入ってからする」 「忘れたなんて言わせへんよ」 「わかったって」 ―――数十分後 ガチャ 亮ちゃん出たかな? 亮ちゃんからのキス久しぶりやぁ! 楽しみやな…。
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