雨宮一樹

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「おはよう」 心地良い低音が特徴の声と共に、軽く肩を叩かれる。振り返れば、いつものように微笑む彼がそこにいた。 雨宮一樹。 彼が、僕が初めて出会った1人目の“親友”。 今まで友達がいなかったわけではないが、本当に心から親友と思える存在はいなかった。 小学校、中学校、高校――― 特に目立つわけでもなく、普通に、無難に過ごしてきた。 他人から見れば「つまらない」と思われるかもしれないが、大抵の人はそうなんじゃないか? そう思っていた。 僕は葉山英貴。 普通の、どこにでもいる大学生。
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